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ニンジャスレイヤーPLUS

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サイバーパンクニンジャ小説「ニンジャスレイヤー」の連載まとめに加えて、書下ろしのスピンオフエピソード、コメンタリー、資料集などがまとめられたマガジンです。PLUS系のメンバーシッ… もっと読む
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2022年3月の記事一覧

【バトルグラウンド・サツ・バツ】5

4 ← 【バトルグラウンド・サツ・バツ】5 「どこだ! クラミドサウルス=サン、どこに行った!? この先にオイラン砦を見つけたというのは本当だろうな!」  素晴らしい松の木を破壊しながら現れたのは、巨大なネオンメイスを振るうサイクロプスであった。この巨漢ニンジャがネオンメイスを振り回すたび、眩しいネオンプラズマ光が闇に閃いて、松の木の黒焦げになった断面からは白い煙が立ち上った。

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【バトルグラウンド・サツ・バツ】6

5 ← 【バトルグラウンド・サツ・バツ】6  バンディットは今、荒れ果てた土地を小走りに移動している。姿見えぬ狙撃手からの攻撃を受けた糸杉地帯は既に後にしてきた。北からの攻撃であったので、西ではなく南へ針路を変更している。目的はエリア外への離脱だ。

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【アンリーシュ・ザ・グリムリーパー】6

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【バトル・オブ・ザ・ネスト】

【バトル・オブ・ザ・ネスト】  ギョクヤマ・ストリートに冷たい重金属酸性雨が降る。ネオサイタマ市警のツェッペリンから漢字サーチライトが気怠げに照射され、がらの悪い場末のサルーン『アタマ・ハンザイ』の前で艶めかしく欠伸するオイランドロイドと、その後ろに奴隷商人めいて立つ女衒ヤクザを無表情に撫でた。  女衒ヤクザは、このちんけな巣の入口を守るガードマンでもある。入店を許可されるのは、顔見知りの老人か、地元のヨタモノ、あるいは事前に連絡のあった非合法組織のエージェントだけ。余所

S4第5話【デストラクティヴ・コード】分割版 #6

5 ← 6「サツガイ」の名を耳にした瞬間、ブラックティアーズのニューロンは極度に鋭敏化した。サツガイの名がアヴァリスから出てきた。なにゆえ? そして、アヴァリスはどこまで知っている? 引き伸ばされた時間が泥めいて流れる。

リブート、レイヴン好評連載中!『ニンジャスレイヤー キョート・ヘル・オン・アース』最新話掲載チャンピオンREDが3月19日発売!同時読書イベントは20日の22:00から!

🍣コミックス9巻が発売中!🍣「ニンジャスレイヤー キョート・ヘル・オン・アース」最新第9巻が大好評発売中! カバーを飾るは最凶武闘派、ダークドメイン。見せ場はニンジャスレイヤーとダークドメインの暗黒カラテ蹴り「メイアルーアジコンパッソ」の応酬! 二忍が起こす颶風がネオサイタマを蹂躙する!! 8巻も大好評発売中!:ニチョーム勢に襲いかかるザイバツ・シテンノ「レッドゴリラ」の暴力!シルバーキー、ネザークイーン、ヤモト、そしてニンジャスレイヤーは、いかにしてこれに対抗するのか!?

S4第5話【デストラクティヴ・コード】分割版 #5

4 ← 5「グワーッ!」ブラックティアーズは長駆のアヴァリスのカラテの圧力によって抑え込まれながら、血走った目を発光させて、アヴァリスを睨んだ。悲鳴じみた澄んだ破砕音を響かせ、ハニカム構造の超自然シールドがほぐれてゆく中、アヴァリスは肉切り包丁めいてチョップをさらに押し下ろした。 「狩人が……!」ブラックティアーズはアヴァリスのチョップ手を掴み、心臓へ達するのを止めながら、責めた。「狩人が狩人を攻撃するとは……狂ったかアヴァリス=サン! 許されんぞ!」「ははははは。刺客を

【ジ・アブソリューション】#2

【ジ・アブソリューション】#2    重金属酸性雨の中、〈聖戦〉は加速する。ヤマヒロはいまやヤクザ天狗そのものとなり、過去の悲劇を食い止めようとしていた。すなわち、キルエレファント・ヤクザクランの壊滅を。  ヤクザモービルを駆りながら、彼は革手袋に覆われた手でダッシュボードの盗聴スイッチ類を巧みに切り替えた。そして、アクセルを踏み込んだ。

【ラグナロク・オブ・ピザ・タキ】#4

3 ←  ヤスダ・シドは自慢のソケットモヒカンにLED光を波打たせながら、今日も勤務先のサポートセンターから自宅の安アパートへ自転車で帰宅した。ヤスダはパンク・バンド「パワード込み」のベーシストであり、パートタイムのサポートセンターのヘルプデスク仕事で日銭を稼いでいる。  今日も彼は、物理世界で対面していれば殴り倒していたであろうファッキング顧客との長々したやり取りを終え、こうして家路についた。彼は自転車カゴからピザ・ボックスを取った。昼に近所の広場に来るようになったピザ

【サイオン・オブ・ザ・タイラント】

【サイオン・オブ・ザ・タイラント】 1  ドンコドンコドンドン、ドンコドンコドンドン……勇壮な伝統的ヤクザドラムBGMが、今日もラオモト・チバ邸に流れていた。あたかも、遠い山並みの裏側で鳴る遠雷のように奥ゆかしく。  外は雪。閉じたショウジ窓越しに、白く冷たい薄明かりが十六畳のタタミ部屋へと伝わってくる。中央に敷かれたフートンの奥から漏れるのは、金髪オイランの艶やかな声。オイランはチバの名を呼びながら、一人、フートンの中で悶える。チバは窓際に立ち、紫ヤクザスーツのボタン

S4第5話【デストラクティヴ・コード】分割版 #4

3 ← 4「やられたな」アヴァリスが呟き、起き上がろうとするのを、ハイウェイマンは少しの驚きをもって受け止め、カイシャクを留めた。脳天を撃ち抜かれる瞬間に、仰け反って貫通を防いだとでもいうのか。どちらにせよ、よほどのニンジャ耐久力の為せる技だ。  ハイウェイマンはLAN直結ライフルを構え、冷静に待機する。先走ったところで、よい事はなにもない。彼はアヴァリスの起き上がりざまのあらゆる攻撃可能性を警戒した。

【コミック新刊】『アラタの獣』1巻&2巻が3月11日同時発売! 読んでね!

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インタビュー・ウィズ・ニンジャ PLUS版(47)

謎多き存在、ニンジャ。その生態や秘密の一端を解き明かすため、ニンジャスレイヤーの原作者であるボンド=サンとモーゼズ=サンにいろいろ質問してみるコーナー。そのPLUS版ができました! 時折開催されるnote上のアンケートを使って、読者の皆さんからおたよりを集め、その中からいくつかをチョイスして、毎月何個かずつ質問に答えて頂く予定です。 PLUS愛読者アンケートは数ヶ月に一度の頻度で行っています。たくさんの質問やはげましのおたより、ありがとうございます。今回は2022年1月分の

【ライズ・アゲンスト・ザ・テンペスト】

◆◆◆ 序「イヤーッ!」「グワーッ!」えぐり込むようなニンジャスレイヤーの拳がスキールニルの心臓を強打すると、コンマ2秒後、焦茶色装束の偉丈夫のニンジャは渦を巻いたように一瞬、ねじれ、そののち、回転しながらフスマを突き破り、吹き飛ばされた。「アバーッ!」  KRAASH!KRAAASH!KRAAASH!三層のフスマを破砕し、スキールニルはトコノマの木彫りワータヌキ像に衝突した。等身大のワータヌ像はバラバラに砕け、黒い木材が散らばった。「アバッ……アバッ!」「もはやオヌシの