第1回逆噴射小説大賞:二次選考通過作品まとめ

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ジプシー・ガールズ

ジプシー・ガールズ

 私はジープの広い後部座席に寝そべり車内の天井を眺めていた。 固いサスペンションから伝わる振動が心地よく、胃のあたりが浮き上がるような高揚を感じる。 「サキ、起きてる?」 運転席でハンドルを握っているのは同級生のトモコ。 運転免許は持っていない。無免許運転だ。 最もそれを取り締まる警察も、もういないけど。  2018年--異界元年。 私たちの世界は異世界と繋がり、全てが変わった。 向こうの世界から現れる西洋甲冑の軍団に現代兵器は通用せず、私達の住む街はドラゴンの火に飲ま

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魔女子高生と大きな使い魔

魔女子高生と大きな使い魔

高身長がコンプレックスな女性もいるそうだが、私の友達は典型的なそれだった。 「ねえ、エリちゃんまたアイツと戦うの……?」 189cmの彼女、モモカの瞳はかすかに潤んでいた。 どこまでも気が小さい。 「今更怖気づいた?」 彼女は黙って俯く。 これから私達はあの巨大な毛玉の怪物を倒さねばならない。 「わかった、やる……」 弱々しい声。 「そう」 短く言うと人差し指で自分の唇を撫で、次に彼女のブレザーの校章をつつく。魔女の秘術だ。 次の瞬間、モモカは黒い影に包まれる。それ

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閃撃女子高生まなか 天の巻

閃撃女子高生まなか 天の巻

可変型重機動女子高生「タイプJ8」を予告通りキッチリ二十五秒でスクラップにした俺は、続いて魔犬女子高生「ヴァスカビル」に向き合う。 噛み合わせ悪そうな乱杭歯の隙間から炎を吹き出しつつ、この犬っころは俺を睨みつける。上等だ。「てめえは―――そうだな、三十秒ってところか。その汚ネエ歯、全部叩き折ってや」 瞬間、黒い矢が天から真っ直ぐ落ちてきた。矢は犬っころを落下の勢いで踏みつぶし(犬っころの歯は全部砕けちまった)、反動でまた空中に舞い上がる。そのまま華麗な空中回転を決めると、

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