第1回逆噴射小説大賞:二次選考通過作品まとめ

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怒りの誘惑

怒りの誘惑

「ウガアーッ!」 俺の拳が巨漢の下顎をぶっ飛ばす! 血飛沫! 背後に裏拳を叩き込む! 「ギャアーッ!」 首が壁にバウンド! 俺は快哉した! 「アイアム・チャンピオン!」 その時、iPhoneのタイマーが鳴った。 「…もうこんな時間か」 私はリモコンを操作した。立体映像が薄れ、首の取れた人形と多目的カラオケ店の個室が現れる。パック料金の適用中に出なければ。慌てて上着を羽織る。 年下の上司に横文字で詰られた怒りは、店を出た時には概ね治まっていた。夜の街には雨。傘を

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