ラスト・ドワーフ ラスト・チャージ
唯一の女性ドワーフ、”戦鬼”シヴの葬儀が終わった。”歯車”デグは友を失い、世界最後のドワーフになった。
曇天の下、デグは膝の上の杖を撫で、白髭の中で呟いた。
「自業自得だな。竜やロンサムジョージとは違う」
「デグ、考え直さないか? 今の技術なら……」
ただ一人の参列者である大統領が言った。デグは首を振った。
「クローンは無しだ。ドワーフの血を人の血清に使うのは良いが、子どもが切り刻まれるのは耐えられん」
「そんなことはさせない、絶対に」
「分かってる。お前らはいつも最後には