第1回逆噴射小説大賞:二次選考通過作品まとめ

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R.E.T.R.O.=/Q

《街》にダイヴするとき、決まって全身全霊を総毛立つような感覚が駆け抜ける。 自我を除く全情報が書き換えられ、私達は指定座標に出現する。 私は耐刃レザーのボディスーツ、パートナーのエドはへんな騎士鎧の姿だ。 「なあオリー、本当にこんな場所に適合者がいると思うか?」 エドの機嫌が悪い。 「さあね、おやっさんが言うのだから確かでしょうよ」 《街》。それは無限に続く巨大な一本の通廊の形をした閉鎖系世界だ。そこに共通した上下の概念はなく、本人にとっての接地面が下となる。 四つの壁

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【石の街】攻防記

その日、大量の水が街を襲った。 呪術結界が施された強固な石の外壁が、轟音と共に押し寄せた水流によって破壊された。 外部からの攻撃だ。 やつら、とうとうここまで力をつけやがったか。自治会のおじさんがぼやいた。度重なる攻撃が段々と威力を増しているのは、僕も感じていた。 ひとしきり荒れ狂った濁流は、昼前には収まった。幸い死者は出なかったが、街中が水浸しになった。 誰しもが異変に気づいたのはその頃だ。水が一向に引かない。 広場で僕はとても奇妙な光景を目にした。 斜面の石段

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