ギリギリまで短くなった煙草を燻らせながら、泥水のようなコーヒーを啜る……なんて往年の私立探偵はまだなんとか様になる。俺の場合は、度重なる税金値上げで煙草なんぞ夢のまた夢、余り物の素麺を始末するべく、泥水のような素麺ツユ(賞味期限切れ)と奮戦している。 そんな秋の日に、俺の事務所…