第1回逆噴射小説大賞:二次選考通過作品まとめ

256
サマー/タイム/クライシス ~冬の少年~

サマー/タイム/クライシス ~冬の少年~

 サマータイム導入に失敗し、日本は永遠の夏に閉じ込められた。時間がループしているのか、それとも夏以外の時間を消してしまったのかは未だに議論されているが、ともあれ今日も私達は寝苦しさと戦っている。 「あっついね~」  みっちゃんが制服のスカートをパタパタとさせながらぼやいた。口にアイスを咥えながら器用なものだ。 「生まれた時から夏なんだからいい加減体が勝手に慣れてくれればいいのにね」  隣の私も真似をしてスカートを扇ぐ。  学校の帰り道にある砂浜は石だらけで海水浴には向いてな

19
Bang Boo Race

Bang Boo Race

ホントに俺じゃないとダメか、ともう一度パンダに訊いた。 「いやぁ、だってボク、踏めないし」 パンダは照れたように言う。まだ一回も運転したことないんだぞ、と喉元まで出かかった。パンダは自分の足で歩いたことすらないのに。 目の前には完成した手製のホーバー(※浮遊二輪車のこと)が置かれている。キーを捻れば起動してふわっと浮くだろう。ペダルを踏めば進むだろう。この埃臭い倉庫で何度も点検したからわかっている。 「ボクがハンドルで運転して、縞田がペダルで走らせる。大丈夫だ

3