第1回逆噴射小説大賞:二次選考通過作品まとめ

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不死の日のエドム

「日の神にかけて。今日は『誰も死なぬ日』でさ、ヨブの旦那」 薄汚い牧童は、そう言って男に微笑み、右手を挙げた。 「試してみる。首を出せ」 「いや。痛いは痛いんでね。罪になりやすぜ」 「構わぬ。贖い銀は先払いだ。俺の神に誓う。そこの連中、証し人となれ」 ヨブは、銀の入った革袋を呉れてやる。 牧童と証し人らは銀を確かめ、肯いて受け取る。 「じゃ、どうぞ」 剣が一閃し、牧童の首を断つ。ごろりと落ち、血は出ない。 首は顔を引き攣らせ、口をぱくぱくさせる。 「い……いてえ! 旦那

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大天狗国(テングリア)

チンギス・カンは天狗だった。この事実を知った時、私は目が眩み、膝が震えるのを感じた。だが、考えてみればわかる。源義経は天狗に武芸を習った。彼が大陸に渡り、チンギス・カンとなった。この有名な二つの伝説から、自ずと結論は導かれる。チンギス・カンは天狗だったのだと。 義経は天狗に成っていたのだ。星々の海から降臨した大魔王に。その超常的な力は海に嵐を起こし、アイアンゴーレムを操り、富士山を噴火させたという。彼を恐れた同族は、平家との戦争が終わるや彼を追い詰め、殺そうとした。天狗に対

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