【冒頭】不死なるものに極刑を
「カンダルダの山腹に屯す五人の内に一人」の予言を受け、不死人狩りに出た騎士団員は十四名。いずれも単騎で巨人をいなす粒ぞろい。しかし、獰猛な山脈の腹まで命あって辿り着いたのは僅か六名であった。否、それも今、五名になった。滑落したゴントをどうするか、彼らは目くばせし合った。誰もがやつれ果てていた。ロハスルが「拾おう」と言った。「もうじき霧が出る」とユーナンが暗に反対したが、生真面目なトゥヌは既に黙々と岩を降り始めていた。「休もう」とキリが腰を下ろした。ビトーは笛を吹いていた。