第1回逆噴射小説大賞:二次選考通過作品まとめ

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幸せは温い鉄砲

幸せは温い鉄砲

黒色火薬を飲み下すことで仮病を装うのは一昔前の軍記物ではありふれた手法であるが、阿見田かるかはそれを3限目の小テスト中に実行した。こんなメールを見たからだ。 「授業中にすまない。だがもう俺は駄目だ。今日、お前を撃つ」 30分後。かるかが屋上に着いた時には全ての準備は済んでおり、10年前死んだはずの先代校長は火縄銃を抱えて立っていた。 男は口から飴玉を取り出し、火薬と共に銃身に装填した。鉛とザラメとある種のトリカブトからなる、特別誂えの弾丸だった。 もはや語るべきことは何もなか

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