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その男は寂れたバーの扉を押し開けて現れた。 「水をくれないか」 男はイギリスなまりで言う。それが癇に障ったのだろう。今、イギリス人は荒くれガンマンと向かいあっている。決闘だ。 両者の間に乾いた風が吹き抜ける。バーの店主が思わず唾を飲む。そして緊張が張り詰め、張り詰め……弾けた瞬間、両者はほぼ当時に銃を抜き、銃声が三度鳴り響く。 ガンマンは目を見開き、地面に銃が二丁落ちる。 「てめえ、なんで」 「両利きかわかったって?」 イギリス人が微笑む。 「肘さ。始まりは両肘が赤