ファナティック・エコシステム
気がつくと、刺されていた。
全身を細い針で、幾度も刺される痛み。
本来感じることのない視線の痛みで、動けなくなった。
「何をしている」
見知らぬ男に手を引かれ、その場を離れる。
帽子を目深に被り、襟の高い黒いコート姿だ。
「何も知らないで、あの場所に立っていたのか?」
静かな、強い口調で問われる。
痛みから開放され、首を振り意思を伝える。
「この時間、あの場所は奴らのテリトリーだ」
この男は、知っている。
聞かなければいけない、自分にどんな危険が迫っていたのかを。
乾い