第1回逆噴射小説大賞:二次選考通過作品まとめ

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ファナティック・エコシステム

ファナティック・エコシステム

気がつくと、刺されていた。 全身を細い針で、幾度も刺される痛み。 本来感じることのない視線の痛みで、動けなくなった。 「何をしている」 見知らぬ男に手を引かれ、その場を離れる。 帽子を目深に被り、襟の高い黒いコート姿だ。 「何も知らないで、あの場所に立っていたのか?」 静かな、強い口調で問われる。 痛みから開放され、首を振り意思を伝える。 「この時間、あの場所は奴らのテリトリーだ」 この男は、知っている。 聞かなければいけない、自分にどんな危険が迫っていたのかを。 乾い

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モノクローム・モノトーン・モノローグ

モノクローム・モノトーン・モノローグ

春の激務から逃げるように新幹線に飛び乗った。 横浜に来たのは感傷でしか無い。 10年近くぶりに横浜駅の改札を出ると、目の前に女の子が二人、いる。 白いカーディガンと黒いワンピース。 黒いカーディガンと白いワンピース。 似たような雰囲気で、全く似ていない二人の女子が 手を繋いでこちらを見ている。 手を繋いでいない手にはチェーンソー。 白い液体が滴る、黒い液体が滴るチェーンソー。 目が合う。 瞬間、総毛立つ、音が消える。 「あなたは白い?」 黒白の女の子がチェーンソーを

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