第1回逆噴射小説大賞:二次選考通過作品まとめ

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パラレル・レース・ロイヤル

パラレル・レース・ロイヤル

 メチルヒドラジンとエリクサーの配合物が点火し、噴射が始まる。レースが始まる。残りカウント五秒。本来は平行世界どもを集めてバトルロイヤルの予定だったがレースのほうが長期的な見世物になって興行収入が入ると責任者は考えた。  武装担当のサカヤマが祈る。仏教徒のこいつはインドで六年間修行した挙げ句にレーサーになった。バディを組んだ理由は賞金の寄付。  百メートル右でユニコーンが出馬を待つ。角が生えて神々しい本物の聖獣。雷とホーリーガスがかなり厄介だ。  二百メートル左には量産型魔法

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Bang Boo Race

Bang Boo Race

ホントに俺じゃないとダメか、ともう一度パンダに訊いた。 「いやぁ、だってボク、踏めないし」 パンダは照れたように言う。まだ一回も運転したことないんだぞ、と喉元まで出かかった。パンダは自分の足で歩いたことすらないのに。 目の前には完成した手製のホーバー(※浮遊二輪車のこと)が置かれている。キーを捻れば起動してふわっと浮くだろう。ペダルを踏めば進むだろう。この埃臭い倉庫で何度も点検したからわかっている。 「ボクがハンドルで運転して、縞田がペダルで走らせる。大丈夫だ

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