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逆噴射小説大賞2020:1次&2次選考突破作品

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2020年10月の記事一覧

簒奪者の守りびと

「王太子。召し上がっていただけませんか。わずかでも」  ベッドに腰掛ける少年の顔は青白い…

71

ウィンチェスター・ウィッチクラフト

 両手の小銃が立て続けに二度、小気味良い音を奏でる。  自ら銃を手に取る事は久しいが、や…

とう腐
3年前
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メルヒェンの獣

 ベルリンの寒い夜、大学病院に現れた青年は血まみれの妊婦を抱えていた。 「助けてくれ! 妻…

88

遺忘のナヴィガトリア

 高度100km、カルマンライン。天獄と地国のあわい。希薄な大気故に昼でも空は黒い。天獄から…

居石信吾
3年前
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鷹の眼は神を狙う

大統領殿へ 来月末までに10億ドル用意されたし さもなくば、全人類を殺す 準備出来次第、署…

ドント
3年前
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『魚籃坂復仇探偵社:テレワーク殺人事件』

2020年4月某日、東京都港区、深夜。 定宿のAPAホテルから仇討縁起で有名な泉岳寺へ向かうとガ…

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燦然たる断片

朽ち果てた機動兵器の残骸で弾幕をやり過ごしながら、俺は傍の肉塊に目をやる。陸軍の兵士。吹き飛ばされてきた割には損傷が少ない。右腕と首が足りないぐらいだ。 俺は背負ったコンテナから手頃な腕と生首を取り出す。肉塊に手早く接合し、活性化。肉塊は痙攣と共に赤黒いものを吐き出しながら、ゆらりと立ち上がった。 接合した首が持つ脳は自我漂白済だ。俺は足元に転がる誰かのライフルを拾い上げて手渡す。トリガーに絡み付いた指の残骸は丁寧に剥がしコンテナにしまった。 兵士が呻き始める。俺は手甲

ギャング・ヴァイオレンス・オール・グリーン

 その時、俺はダチとベロベロになるまで呑んでいた。カスみたいな居酒屋で、低学歴の馬鹿な半…

御遺体回収し〼(報酬歩合、応相談)

「蘇生できない? 話が違うぞ」  俺は公共ダンジョンから先刻回収してきたばかりの死体を前…

棺桶六
3年前
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真夏のひゅるひゅると、ぐちゃぐちゃ人類

 侵略者がやってきたのは8月の暑い盛り、それも盆休みのただ中だった。  オレがはっきり覚え…

lizardfolk
3年前
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奇跡は砂になりて

 かつて、この世界には「ほんもの」の神様がいたらしい。  らしい、というのは、私は神様を…

里場
3年前
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黒髪を抱いて沈む

高校生の高濱夏帆が、自分には潤一郎という10歳年上の兄がいたことと、その死を知ったのは同時…

ブロークンアロー

 姉妹は眠りに就くべきだと、カレアは思った。救済は人間の虚妄だとしても、眠りだけは確かに…

雨宮桜花
3年前
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なるべく生者が望ましい

「……俺はどうなるんですか」  藤野央助は、青ざめた顔をハッと前に向けた。自らの失言に気づき、背中にはじっとりと嫌な汗が流れた。 「違うんです。何言ってるんだろう僕は、あはは……」  机を挟んで正面に座る女は、ただ静かに笑みを浮かべた。女に媚びたような引き攣った笑いを浮かべる央助の手を取ると、哀れむような目で彼を見つめる。 「驚かせてしまってごめんなさい。でも貴方、自分で応募して来たんじゃない。ちゃんと家族にお礼も支払われる」 「う、受けます、分かってます」 「本当に