『帝都探偵奇譚 東京少年D団』試し読み
これより前のセクションは Pixiv Novelで試し読み可能
舞台は、蒸気と狂気と暗雲に包まれた、1920年の帝都東京……。
明智小五郎の帰還巨人と怪人
美術城の事件から半月ほどが経った、ある日の午後。東京駅のプラットホームの人ごみの中に、一人のかわいらしい美少年の姿が見えた。読者諸君にはおなじみの明智探偵の少年助手、小林芳雄である。
小林少年は半ズボンにジャンパー姿で、よく似合う鳥打ち帽をかぶり、ピカピカに磨かれた靴をコツコツいわせながら、プラットホーム