【試読】ダイハードテイルズ・サンプラー

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和風スチームパンク小説【ロータス戦記第2部 キンスレイヤー 上巻】より 1:全ての…

1:全てのギルド者が恐れる少女  ロータス・ギルドの装甲戦闘艦三隻からなるウォーシップ艦隊が、血のように紅い空を航行していた。三隻はいずれも、アイアンクラッド級の主力艦。すなわちシマ本島の工廠で建造可能な最重量級の戦闘艦である。その巨体を支える大気球の色は火のように赤く、両舷側の…

【試し読み】ダークゴシック・ヒロイックファンタジ小説「灰都ロヅメイグの夜」 1:霧…

1:霧と酩酊  霧。隠匿。酩酊。霧。隠匿。酩酊。  今宵はいささか、冷え込む。  重たげな霧がセード式外套の袖口をこじ開け、忍び込もうと試みていた。疾く早く、今宵の酒場に逃げ込もう。君は懐から真鍮性の酒入れを取り出し、蓋をひねり、秋の香りのゾード果実酒を軽く口に含んだ。麗しき風味…

【試し読み】灰都ロヅメイグの夜 2:我等が故郷

承前 2:我らが故郷  無数の寺院、神殿、学院、書庫、大劇場、賭場、工房、地下大墳墓、坑道、貧民窟、伏せ目の辻、教団、殺害者ギルド、陰謀団、金銀、宝石、財宝、剣、弓銃、銃、蒸気鉄車……神秘と欲望の香り漂うあらゆるものが灰都で作り出され、編み出されている。だが、その多くが巨大都市直…

【試し読み】灰都ロヅメイグの夜 3:斜陽の剣士達

承前 3:斜陽の剣士達  廃屋の二階、ロー・ロクムの鍛錬場は、少なく見積もっても五十人の剣士がその技を磨くだけでなく、炊事その他を賄うに十分な広さを有している。そして、かような夜更けにあってもなお、十人からの剣士が其処に在った。もっとも、そのうち高位に属する数名は、窓際のテーブ…

『帝都探偵奇譚 東京少年D団』試し読み

これより前のセクションは Pixiv Novelで試し読み可能 舞台は、蒸気と狂気と暗雲に包まれた、1920年の帝都東京……。  明智小五郎の帰還 巨人と怪人  美術城の事件から半月ほどが経った、ある日の午後。東京駅のプラットホームの人ごみの中に、一人のかわいらしい美少年の姿が見えた。読者諸君…

S1第1話【トーメント・イーブン・アフター・デス】(試し読み用オープン記事)

「イヤーッ!」  鋭い叫びを発しながら、斜めに傾いた高層ビル廃墟群を飛び渡る影があった。影は赤黒く、不穏に滲む残像を伴っていた。重金属酸性雨を降らせる灰色の空に、黒い稲妻が閃いた。  シャッタード・ランド。この地につけられた名は、白亜化石じみた高層ビルの下にひろがる不毛の地の、巨…