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2016年の11月にnote上でスタートした「NINJA SLAYER PLUS」(PLUS)は、最新スピンオフや設定資料集の公開場所であり、2010年から続くTwitter無料連載支援のためのドネート窓口でもあります。 📡ニュース / 更新まとめ ◆AoM本編3部作と「スズメバチの黄色」から続く最新シリーズはここから。3部作の戦いから10年後、2048年を舞台に新たなニンジャスレイヤーが誕生する。 AoMシーズン1:サンズ・オブ・ケオス編 ニンジャスレイヤー「マスラ
1 ガレージの重いシャッターを押し上げ、フジキド・ケンジは薄明の荒野に進み出た。清冽な空気の中に立つと、吐く息は白い。 大地は焦げた鉄の色をしている。 濃い灰色の曇天の下、地平線に黒い凹凸をつくる影……モロクマ・シティ。あれがここから一番近い市街地だが、実際、随分と遠くに霞んで見える。 そしてこのガレージの周囲には、他に、家らしい家はない。真鍮の風見鶏、電球の補修もされていない「即ストップ・イン」のネオン看板。鶏を平飼いしている鉄柵の囲い。モーター駆動式の井戸。そ
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3 ← KRA-TOOOOOOM……DOOOOOOM……。 爆炎の光と轟音がザクマのヤクザSUVを震動させた。ルームミラーから後方の炎塊を眺め、ザクマは目を細めた。 調子に乗ったカスが。こんがり焼けて、いいザマだ。
2 ← 『今日未明のファンダメンタル、興味ねえそんなメンタル……』ラップ歌手の吐き出すリリックが、つけっぱなしのレディオから流れている。ブラインドの降りた窓に外の明かりは細長い。 フジキド・ケンジはベッドに腰を下ろし、膝の前で手を組んでいた。彼は目を伏せ、じっと、沈思黙考を行っている。カイルは重傷だが、生命に関わる程ではない。胸をなでおろすべき事実であった。
1 ← 2 クリスタル・テーブルを挟んで、エディとフジキドの視線が衝突した。ギャング達は脂汗を流しながらフジキドを嘲笑の目で観察し、ゾエモンは攻撃性を爆発寸前で抑え込むかのように荒い息で呼吸していた。