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【旧】ニンジャスレイヤーPLUS

【ご注意:noteのシステム移行により、定期購読マガジン版は更新を終了しメンバーシップに完全移行します。新規購読はメンバーシップのほうへお願いします!】 https://dieh… もっと読む
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#ギアウィッチクラフト

定期購読マガジンからメンバーシップへの切り替えのおねがい(2022/8/31更新)

いつも「ニンジャスレイヤーPLUS」「ソウルワイヤード」「DHT-MAG」の購読と、ニンジャスレイヤー公式/ダイハードテイルズの活動サポートありがとうございます。 2022年7月から、noteでは「メンバーシップ」という新機能が始まりました。これは簡単に言えば、これまでの「定期購読マガジン」の上位互換のようなシステムです。 このためdiehardtales.comでも、上記3つの定期購読マガジンをメンバーシップに移行させ、より読みやすく、より楽しいものにアップグレードして

【ギア・ウィッチクラフト】#8

◇総合目次  ◇全セクション版 ◇「磁気嵐の晴れた世界で」 ◇1 ◇2 ◇3 ◇4 ◇5 ◇6 ◇7 ◇8 7 ← 「辞める? ハハァ、それで救援要請を渋っていたというわけか。フェイタル=サン」コルヴェットの言葉に、フェイタルは曖昧に頷いた。「さあな。ま、色々と考えてはいたさ」「味方と考えていいのだな、ブラックヘイズ=サン」今度はブラックヘイズに尋ねる。「少なくともこの件を片付けるまでは?」 「味方の意味にもよるが、協力はしよう」ブラックヘイズはカタナの企業戦士を見た。

【ギア・ウィッチクラフト】#7

◇総合目次  ◇全セクション版 ◇「磁気嵐の晴れた世界で」 ◇1 ◇2 ◇3 ◇4 ◇5 ◇6 ◇7 ◇8 6 ←  大空洞は今や銀の火によって禍々しく照らし出され、チュートン騎士立像の抽象的な姿は恐るべき啓示めいてモノクロであった。「何だ……? グワーッ!」ほんのコンマ一秒の隙を突かれ、フェイタルは高く弾かれた。ブラックヘイズは反射的に防御姿勢を取った。直後!「グワーッ!」 「ンンンンン……! ひれ伏すのだカタナ・オブ・リバプール」燃える銀のローブで身を覆った邪悪な存

【ギア・ウィッチクラフト】#6

◇総合目次  ◇全セクション版 ◇「磁気嵐の晴れた世界で」 ◇1 ◇2 ◇3 ◇4 ◇5 ◇6 ◇7 ◇8 5 ←  ZMZMZMZM……。奇妙な唸り音が空洞に鳴り響いた。それはギンカクから発せられていた。御影石の表面にサザナミが生じていた。(大丈夫なのか?)コルヴェットは歯を食いしばる。ギュンター博士がコルヴェットを振り仰ぎ、緊迫した表情で目配せした。コルヴェットは頷いた。手首にカゼが集まる! 「貴様何を!」監視役のカタナ企業戦士が異状を察知しカタナ警棒を振り上げ時に

【ギア・ウィッチクラフト】#5

◇総合目次  ◇全セクション版 ◇「磁気嵐の晴れた世界で」 ◇1 ◇2 ◇3 ◇4 ◇5 ◇6 ◇7 ◇8 4 ← 「ドーモ。フェイタルです」「ドーモ。ブラックヘイズです」隣り合う針葉樹頂点に直立した二人のニンジャはアイサツし、同時にオジギした。砕けた月は白く輝き、シュヴァルツヴァルトの夜の輪郭を照らしていた。すぐにカラテ戦闘が始まる事はなかった。フェイタルはまだ襲いかからなかった。

【ギア・ウィッチクラフト】#4

◇総合目次  ◇全セクション版 ◇「磁気嵐の晴れた世界で」 ◇1 ◇2 ◇3 ◇4 ◇5 ◇6 ◇7 ◇8 3 ← 「……で、お前はヤナマンチの保護を求めている、と」「……ヤー(はい)。その通りです」初老の痩せた男は、ややおびえた様子で視線を彷徨わせた。「これ以上、カタナ社の非人道行為に加担するわけにはいかない」前を歩くフェイタルとギュンター博士のやり取りを、コルヴェットはじっと見守っている。 「非人道行為ね……」フェイタルは鼻を鳴らした。「ウチも大概だぞ? 給料も渋い

【ギア・ウィッチクラフト】#3

◇総合目次  ◇全セクション版 ◇「磁気嵐の晴れた世界で」 ◇1 ◇2 ◇3 ◇4 ◇5 ◇6 ◇7 ◇8 2 ←  BRATATATATA! BRATATATATATA!「アイエエエエ!」「そっちだ!」「下がれ!」「グレネードだ!」「RPGだ!」「駄目だ、速い……アバーッ!?」「アバババーッ!」「助け……アバーッ!」BLAM! BLAM! BLAM!「やめ……やめてくれーッ!」「AAAAARGH……」「嫌アババババーッ!」ナムアミダブツ!  銃を撃ちながらカタナのトル

【ギア・ウィッチクラフト】#2

◇総合目次  ◇全セクション版 ◇「磁気嵐の晴れた世界で」 ◇1 ◇2 ◇3 ◇4 ◇5 ◇6 ◇7 ◇8 1 ←  コルヴェットが慣れた手つきで火打石を打ち合わせると、すぐに火口(ほくち)は緑白色の火を灯した。鬱蒼としたこの森にあって、魔術仕込みの超自然の火は不気味だ。彼とフェイタルが座るこの樹洞も、見ようによっては魔女があけた大きな口じみている。「これで、ひとまずはよし」「ひとまず?」 「妖精の魔術よ」「ふうん。笑えるな」フェイタルは外の闇を見た。「レーザーサイトや

【ギア・ウィッチクラフト】#1

◇総合目次  ◇全セクション版 ◇「磁気嵐の晴れた世界で」 ◇1 ◇2 ◇3 ◇4 ◇5 ◇6 ◇7 ◇8  この小屋は電子戦争以前からシュヴァルツヴァルト(黒い森)の中にひっそりと佇む。住人も管理者もないが、壁も屋根も無事である。時刻は既にウシミツ・アワー。闇の中、二人の顔をオレンジ色に照らし出すのは古式ゆかしいアナログ・ランプである。床に置かれたUNIXデッキのライトは仄暗い。  関節部にあてられた溶接機がパシパシと火花を放つ。サイバネ四肢のアクチュエータ調整、その仕

【ギア・ウィッチクラフト】全セクション版

◇総合目次  ◇全セクション版 ◇「磁気嵐の晴れた世界で」 1  この小屋は電子戦争以前からシュヴァルツヴァルト(黒い森)の中にひっそりと佇む。住人も管理者もないが、壁も屋根も無事である。時刻は既にウシミツ・アワー。闇の中、二人の顔をオレンジ色に照らし出すのは古式ゆかしいアナログ・ランプである。床に置かれたUNIXデッキのライトは仄暗い。  関節部にあてられた溶接機がパシパシと火花を放つ。サイバネ四肢のアクチュエータ調整、その仕上げの作業を終えると、アキナは溶接眼鏡を外し