ニンジャスレイヤープラス

【ザ・リデンプション】 後編

【ザ・リデンプション】 後編

◇総合目次  ◇前編へ  アイアンシャークの刺客を率いていたのは、キトーという丈高い男だった。ボルサリーノを被った頭はスキンヘッドで、眼窩は落ちくぼみ、小さな瞳は血に飢えてギラギラと輝き、活力に満ちていた。  いつもキトーは、コンクリートを泳ぐ鮫のような貪欲さでカブキチョを巡回し、すぐに獲物を見つけ出す……そのような独特の嗅覚があった。お気に入りの合成トロ粉末を黒い革手袋の上にZ字に散らし、右、左の鼻腔で順に吸うと、天性の嗅覚とひらめきは何倍にもなった。  今回もそうだ

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【ザ・リデンプション】 前編

【ザ・リデンプション】 前編

0001001001010101  猛烈な頭痛だった。脳の毛細血管の一本一本が、ホースのように膨れ上がったかのようだ。常に奥歯とこめかみに力を込め、押さえつけていなければ、一瞬で頭が内側から爆ぜてしまいそうだった。 「うう……クソッタレが……」  囚人服姿のヤマヒロは唸り、薄目を開けた。彼は001011110100101の激流の中にいた。見えるのは無重力の薄闇と、崩壊しかけたネオン看板の森と、狂った鉄骨構造の海底。深海魚めいて細長い、現れては消滅を繰り返す、青白く輝く何

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【スロー・ア・シュリンプ・トゥ・キャッチ・ア・シーブリーム】(後編)

【スロー・ア・シュリンプ・トゥ・キャッチ・ア・シーブリーム】(後編)

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【スロー・ア・シュリンプ・トゥ・キャッチ・ア・シーブリーム】(前編)

【スロー・ア・シュリンプ・トゥ・キャッチ・ア・シーブリーム】(前編)

「あがッ、あがッ、あがががががッ……」ヤクザは椅子の上に固定され、今にも失禁しそうなほど震えていた。暗い闇の中、ほとんど何も見えない。加えて彼の両目の上にはセンベイが置かれている。その隙間から月蝕光輪のように覗くのは眩しいライト。ピンク色の光は見えない。機械音が聞こえる。 「案ずるな、すぐに終わる。あと少しだ」暗闇の中で男が言った。逞しい腕が彼の肩を叩き、勇気付けた。「ニンジャの悪夢を浄化し、二度と現れぬようにする……」  彼は悪夢とともに夕刻に目覚める。  夜の訪れ。

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【ニード・フォー・アナザー・クルセイド】

【ニード・フォー・アナザー・クルセイド】

「知らん顔だな。中身はただのヤクザか、つまらん……」  ニンジャは血を吐き捨ててから、心底残念そうに舌打ちすると、血と汚物まみれのテング・オメーンを男の顔に戻した。そして右腕を振り上げ、オメーンの長い鼻を、情け容赦ないカラテ・チョップの一撃で切断した。カラン、カランと空虚な音を立て、切断された鼻が足元に転がる。既に死んだのか、男は項垂れたまま動かない。  それでもまだこのニンジャ、ディサイプルの怒りは収まらなかった。むしろ、この男がただのヤクザであったという事実により、堪

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