【試読】ニンジャスレイヤープラス・サンプラー

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【FREE SAMPLE】ザ・グロウ #1

 その夜も当然のごとく降りしきる重金属酸性雨は虹色のブッダ・ネオンの輝きを霞ませ、窓の外の極彩色の光景を油彩絵具じみて増していた。 「雨、雨、雨、雨だ……」 「雨? それがどうかした?」  キドウは窓ガラスに指でラインを引き、振り返って男オイランを睨んだ。 「クソみたいな気分になる」 「そんな事言っても……いつも雨だよ」  男オイランは肩をすくめた。 「これがネオサイタマだよ」 「慣れろッてか。慣れる気はねえし……一生慣れる気はねえ」 「そう」 「……」

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【FREE SAMPLE】タノシイ・パルプコミック「NINJA SLAYER - SAN 第49話」

あなたがたへ:「NINJA SLAYER - san」は60年代アメリカン・パルプコミックのパブリックドメイン画像を強引に使った、モーゼズ=サン作の日常系ゆるふわコミックです。このコミックの内容はニンジャスレイヤー本編ではありません。 ◆第50話につづく◆ このノートは「ニンジャスレイヤープラス」から試し読み用に抜粋されたサンプル記事です。

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【FREE SAMPLE】ハイヌーン・ニンジャ・ノーマッド(前編)

 正午。ニンジャ。流れ者。  道標の向こうの松林に、行倒れの落武者を見つけた町人ユフコは、持っていた握り飯を渡し、藁を被せて家に戻った。「日が暮れたら戻りますゆえ、それまで持ちこたえて下さいませ」と云い残し。  家がある宿場町オミノロシはそこから徒歩で数分ほど。目と鼻の先であった。ここへ来てユフコは、初めて自分の行動が恐ろしくなった。落武者を匿ったと知られれば、即ち、死罪。命知らずにも程がある。だが、そうせずにはおれなかったのだ。  オミノロシの入口には老人が立ち、本当

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【FREE SAMPLE】シャード・オブ・マッポーカリプス(9):NNK-128

“この物理世界はすべてフェイクだ。暗黒メガコーポ同士の戦争も全てフェイクだ。我々はNNKというフィルタを通して新たな人類へと生まれ変わり、肌の色も目の色も宗教も言語も何もかも一瞬にして超越する。そして未来永劫に続く神秘のテック・ツリーにその身を捧げる。暗黒メガコーポに汚染され尽くした遺伝子を交雑し劣化させ次代へ残す事になど何の意味もない。NNK-128こそが人類の魂の新たな主戦場なのだ。そして俺は、俺の家のNNKがいつか自我に目覚めてウキヨとなり、俺とケッコンする日を待ち続け

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【FREE SAMPLE】【デッド! デダー・ザン・デッド!】 #1

 重金属酸性雨降りしきるネオサイタマに雷鳴が轟き、廃東京タワーに落ちた雷がスモッグを白く照らした。無数の広告ネオン看板が、自然現象に負けじと蛍光色のメッセージを滲ませる。「おマミ」「真剣者」「ピーチ桃」「夢子」「一杯やっちゃったからこれ飲む」「電話王子様」。今夜のネオサイタマは重金属雲が濃く、2年前に割れた月も、見えはしない。  隣り合ったビルそれぞれの屋上にニンジャ同士が対峙し、激しい雷光を受けていた。まず一方、第三信頼銀行のビルには対照的な二人のニンジャの姿あり。一人は

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【FREE SAMPLE】ニード・フォー・アナザー・クルセイド

「知らん顔だな。中身はただのヤクザか、つまらん……」  ニンジャは血を吐き捨ててから、心底残念そうに舌打ちすると、血と汚物まみれのテング・オメーンを男の顔に戻した。そして右腕を振り上げ、オメーンの長い鼻を、情け容赦ないカラテ・チョップの一撃で切断した。カラン、カランと空虚な音を立て、切断された鼻が足元に転がる。既に死んだのか、男は項垂れたまま動かない。  それでもまだこのニンジャ、ディサイプルの怒りは収まらなかった。むしろ、この男がただのヤクザであったという事実により、堪

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【FREE SAMPLE】サヴァイヴァーズ・デスパレート・エクスペディション #1

 キョート・ワイルダネスの一角、危険な毒虫や蛇が徘徊する未踏のジャングルに、「白い悪魔」の伝承がある! それは杉の木よりも高い背丈を持った白い巨人! 巨人はかつてブッダに呪われた一族の末裔であり、死んで生まれ変わる事を許されぬがゆえに永遠の命をもち、森の奥を徘徊して、運悪く遭遇した相手を殺し、なお罪を重ねているのだという!  外世界についてさほど知識の無いこの私でさえ、到底荒唐無稽な話と思えた。何しろ伝承だ。ブッダの呪い、永遠の命。まともに取りあう事柄ではない。だが、付近の

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【FREE SAMPLE】ウォーカラウンド・ネオサイタマ・ソウルフウード(1):ドンブリ・ポン

 ズゴゴゴゴゴ! ドゴゴゴゴゴゴ! カンカンカンカンカンカン! 扉を開けた俺の耳に飛び込んできたのは、パチンコ店もかくやというラウドなファストチューンだった。 「うわッ!」  俺は思わず耳を塞いだ。そのしぐさを、早速他の客から白い目で見られた。そりゃそうだ。俺だって、飯を食っている最中にそんな奴が現れたらちょっと頭にくる。早速やらかしたか。俺は弱々しい愛想笑いを浮かべて会釈した。アッパー・ガイオンにはこんな騒々しい飯屋なんて無かったんだ。 「「「ハイ、イラッシャイマセェ

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