逆噴射小説大賞2019:エントリー作品

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DEKAZAME −刑事鮫−

「《ハンマーヘッド》!」

「《ラブカ》!」

深夜、周囲に人気のない駐車場。スーツ姿の青年と作業着姿の中年が叫び合い、空中に出現した二体の怪魚が激突する。
中年男の足元には血まみれの女性が倒れていた。

一方の怪魚がそのハンマーのような形状の頭部から小さな銛状のミサイルを発射した。もう一方の怪魚に当たったそれは空中で爆発的な水飛沫を上げる。
ウナギのような怪魚が苦痛に身をよじる。ハンマー頭の怪魚

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0と1のマヨイガ

ザナドゥのどこかにマヨイガがある、という噂は以前からそれなりに有名なものだった。
曰く、行けば仮想通貨所持限度額いっぱいの大金持ちになれる。また曰く、バケモノに遭って端末越しに脳を焼き殺される。
噂の多くは荒唐無稽な内容だったし、たいていの人はそれらの噂を電脳上の仮想空間ですら学業や労働に追われる生活からの惨めな逃避行動であるとして取り合わなかったが、まさしく逃避先を求める一部の人々によってその噂

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