逆噴射小説大賞2019:エントリー作品

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カミカゼの消えた日

文永11年、筑前国早良郡。
 沖からの冷たい風が秋の深まりを告げている。
 菊花の香り深い小春日和の空と博多湾。
 白砂の浜に打ち上げられるのは夥しい数の水死体。
 そのどれもが甲冑に身を覆い、刀を佩き、矢筒を背負う。
 ───戦の装いである。

 風間景信は愛馬を降り浜にどっかと腰を下ろす。
 傍らに置かれるは丈3尺を超えようかという野太刀。
 日が中天にあるころに始まった戦であったが、すでに西

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