青空ぷらす
2019/10/28 16:02
introduction「なぁ兄貴」 寒風吹きすさぶ午前11時の歌舞伎町を、ただでさえ猫背の背中をさらに丸めて歩きながら、セイが前歯の一本欠けた口を開く。「なんだ」 俺はヤツの顔を見ないままぞんざいに応える。 ヤツから俺に話しかける時、それは大抵ロクでもない内容だと知っているから。「キャバクラとピンキャバって何が違うんだろう」 やっぱりと心の中でため息を吐く。「キャバクラはお