逆噴射小説大賞2019:エントリー作品

632

穢土堅洲泥府(エド・カタストロフ)

ごぎゃああああ……ごぎゃあああああ……

無人の荒野に、赤子の泣き声が響く。黒い空から冷たい雨。黄色く濁った水たまりには目が、口が、ひしめく。

びちゃり。水たまりのひとつから、何ものかが這い出す。大頭に皺の寄った老人の顔。長い髭を胸前まで垂らし、手足や胴体は寸詰まり。それはただただ泣き散らし、哭き喚いて、この世とあの世の境をなくす。

ぶうううん、ぶううううん……異音を発し、点滅する、蛍の如き鬼

もっとみる
あなたの健康値がアップしました。
26