逆噴射小説大賞2019:エントリー作品

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人狼対抗西部戦線

太陽が照りつける赤く乾いた荒野を鉄道レールが貫く。その傍らに馬に乗った数十人のガンマン達が集っていた。
「奴等が人狼と呼ばれている理由が解る奴はいるか?」 
 左目を黒い眼帯で覆った初老の男、シルバーハウンドは男達に向けそう言った。
「16世紀にスラブ地方で彼らが観測され始めた頃、最も頻繁にとった形態が人狼だからです。慣習的に今でも彼らを人狼と呼びます。」
 遠慮がちに答えたのは余りに場違いな雰囲

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ロニー&ペイジの憂鬱な荒野の走馬燈

「とっとと殺れ!」
鈍い鉄が弾けて車体を揺らした。
これで多分三両目はもうだめだ。
目がもう一つあれば正確な判断ができるだろうが、追われてる時は二つで終いだ。今日の仕事分は捨てるしかない。
俺は燃料をくべた。青い炎が頬を照らす。目に悪いっちゅうの。
「ペイジお前死にたいのか!早くアイツらを爆破しろ!」
「なかなか狙いが定まらなくて!」
六駅目。
真っ暗だった線路にようやく明かりがやって来る。
俺は

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「カチリ」
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赤砂のガンマン

枯草の塊が風で転がってきた。
 合図はない。どちらともなくホルスターから銃を抜き、そのまま相手目掛け引鉄を引く。
 銃声が二つ。流れる血は一筋。俺の勝ちだ。
 やつはその場であお向けに力なく倒れた。赤い砂が舞って、やつの死にざまをわずかばかり彩った。
 俺はやつに近づき、革ベストの内ポケットからスマートフォンと無線接続の血液検査キットを取り出し、やつの血を採取しつつ、その死に顔をカメラで撮影する。

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