逆噴射小説大賞2019:エントリー作品
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本
転校生は巨獣と微睡む
「グッド・アフタヌーン、吾が友」
目の前にいる、見目の良い男はニヤニヤしながら大仰に両腕を広げる。
長い白髪を一つに束ね、赤いロングコートを着た姿は、漫画に出てくる登場人物めいている。
僕の夢に何度も出てきた男で、顔見知りだ。
夢の中でって注釈をつければ、だけど。
で、今は真っ昼間の午後四時で、僕は下校の真っ最中。
そして、僕は殆どの人間とおなじで、映画と違って夢と現実の見分けく
【精霊の御前 仮面は踊る】 #逆噴射小説大賞2019 怖いの注意
どこかの民族の仮面
友人にもらったもの
何故こんな不気味なデザインの仮面をわざわざお土産にと思った
受け取りたくはなかった
でもある種の後ろめたさが私を支配した
その夜
私は夢をみた
仮面をつけた人が踊っていた
火を焼べ、宙へ焔の粉が舞う
翌日
また夢をみた
例の男は火を焼べ 踊る
時折 視線が合った気がした
夢 3日目
崇高、畏怖を併せ持つ何か
それに捧げるもの