逆噴射小説大賞2019:エントリー作品

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【From the Kitchen】  #逆噴射小説大賞2019

ママがおかしいんだ

台所でずっと何かを切ってる

音がずっとしてる

ドアは閉まってて

へんじをしてくれないんだ

なにかをひきずる音

ママ カーテンを開けてください

お外からもなにも見えない

ママ ドアを開けてください

なんだろう、このにおい

あたたかいにおい

ママ、ママ

あ、何かがわれた音

ママ、大丈夫

すずの音がきこえる

ミケ、ミケがどこかにいる

またなにかがわれる

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あぎゃっ!!
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そして踵は打ち鳴らされる

野営の始末を終える頃、アイツはおれが与えたヒモをくわえて眠っていた。さっきまではちきれそうな桃色の肉球と僅かな爪でヒモと戦っていたというのに。銀色の柔らかい体毛に包まれた身体は呼吸運動の度、わずかに動く。「ネコ」とはかくも脆弱で無知性、単純な存在だ。

おれはヒモに神経を通す。ヒモのあちこちで目がぎょろぎょろと蠢き、おれの制御下に戻った。それでアイツの頭部後方を掴み、ゆっくりとケージに収納する。こ

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やったやったー!
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