逆噴射小説大賞2019:エントリー作品

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「アーク・サマー」

伊庭がアークと初めて会った日も、彼女は白いワンピースだった。

 初めて訪れる別荘地への山道で、伊庭は電動バイクを停める。休憩がてら眼下の景色を多重現実のキャンバスに写し取ろうと、絵筆を走らせていた。

 その時だった。

 不意に茂みから、鮮やかな緋の色が飛び出してきた。

 アークだった。

 伊庭は茫然と彼女に見入った。美しいコントラストだった。濃い緑を背景に、緋色が燃え、白いワンピースが一

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