逆噴射小説大賞2019:エントリー作品

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ゲート・ブレイカー 第一話「破門」

「ハチコ、戻ったぞ」

門関連犯罪対策特別捜査隊と書かれた扉を開き、小柄な女性が入ってくる。黒髪のポニーテール。勝ち気な瞳。

「ナナミ先輩、平気なんスか。さっきの現場で派手にフッ飛ばされてましたケド」

長身の男が立ち上がり、心配そうな視線と声を寄越しながらバタバタと駆け寄ってくる。不潔な訳ではないが、ボサボサとまとまりのない栗毛。眠そうに下がったタレ目。対照的な二人組である。

「アタシは軽い

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聖拳"B"、魔神銃(マシンガン)"J"

 南緯47度9分、西経126度43分の海中より現れた怪異によって地球人類の8割が死に絶えたのは、20XX年の暮れのことである。

 歪んだ角度の構造物を擁した島とともに暗い水底から浮上してきたその”神”は、姿を表した際に軽く身を震わせ――それだけで、環太平洋に住まう人々のことごとくを狂死せしめた。
 島に鎮座した”神”は悍ましい声で咆哮すると(このとき、更に多数の犠牲者が出た)その身より数多の眷属

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ハピネス注入、幸せチャージしていただきました・・・!
30

緑の補色は全部赤

赤毛の彼女は太い肉をがつがつと二口かじって、背後の砂浜へと捨てた。
「いい島だ」
肉はぼおんぼおん、とバウンドして元あった場所に落ちる。
「ぐぐ……」
足元を見た。血濡れの迷彩を着た男が彼女の脚を掴んでいた。胸元には禍々しいヤギのピンズも刺してある。
「……やっぱ嫌な島。そうじゃない? 何? 悪の組織? どうでも良いけどさ」
彼女は足を払って散弾銃を一丁抜き、腕ごと肩を吹き飛ばす。
呻き声は無くな

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