逆噴射小説大賞2019:エントリー作品

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”MURA-SAMA”

鏡に映った男が、昏い目つきで俺の顔を覗き込んでいる。なんて目をしてやがるんだ。まあ、ヤバいのは目だけじゃない、髪も髭も伸び放題のひどいツラだ。きっと、つい昨日まで死んでやがったんだな。かわいそうに。

 鏡の中の男は剃刀を手にとり、まずは髪を、ついで髭を剃り始めた。不器用だが丁寧な、厳粛さすら感じられる手つきで、少しずつ、少しずつ。
 丁寧なのは当然だ。コイツは儀式。死人が再び生き返るための、生き

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感謝の極みです・・・!
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