逆噴射小説大賞2019:エントリー作品

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気になるあいつは宇宙人

月影織姫はいわゆる学園のアイドルなどと呼ばれる女子生徒だ。流れるように綺麗な黒髪にモデル顔負けの顔、学年トップクラスの成績という才色兼備の優等生。それでいて才能をひけらかすことはなく誰に対しても優しい性格の良さ。人気にならない要素が見当たらない。

彼女に告白しものの見事に玉砕した男子は数知れず。全員が丁重にお断りされたという。

かく言う俺、大空朝陽も彼女に興味がないといえば嘘になる。月影織

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『左手、落としとく?』

「はじめまして、ずっと前からあなたのことが好きでした」

 松本空港の竜皇回廊口を抜けてきた彼女は、開口一番そう言った。

「私の名前はステラルラ・ドラゴニュート・トニトルス。先輩たち地球人がドラゴ・テラと呼ぶ世界から来たっす。一ヶ月、どうぞよろしくっす」

 くだけた日本語でそう言うと、彼女はぺこりとお辞儀した。直角に腰を折った見事なお辞儀だった。きれいなつむじが目の前にあった。色素の薄い髪が細

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さらに参るぞ
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とん汁の芋なに入れる?

「ジャガイモだよ!」

「サトイモよ!」

ミノリとサトコは共通の幼馴染であるハヤトの家のキッチンで言い争っていた。
今日は三家とも親が遅くまでいないので、一緒に夕飯を作って食べようという話になったのである。献立としてとん汁が提案されたまではよかったのだが、そこに入れる芋の種類で意見が分かれたのだ。ハヤトは買い物のため財布を取りに行っていてこの場にはいない。

「いやいや、とん汁って言ったら普通ジ

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普通の高校生の僕が世界を征服しますが仲間は全裸のおじさんでした?!

僕は大きく息を吸い込んで務めて冷静を心がけながら声を出した。
「話を整理させてくれ」
思ったよりも大きな声になってしまった。
その声を聞いて目の前の二人はびくりとこちらを向く。
とりあえず先ほどまでの堪え難い騒音のような言い争いを止める事には成功したようだ。

目の前の二人。
一人はこの学校の制服を着た女子生徒。肩より少し長い、赤茶色の髪をポニーテールにまとめている。スカートは短く、ケバケバしい化

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