逆噴射小説大賞2019:エントリー作品

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「未知ちゃん」

車窓に反射して映る僕が、先に電車を降りて行った。まだ僕は乗っているというのに。おかしいなと思った。そう言えばずっとおかしかったのかも知れない。気付けば僕は、自分の遺影を持って座っていた。ガタンゴトン、と書いた紙が回ってくる。ふと視界に入った行き先を示す案内板に、「過去→現在←未来」と書かれていて鬱陶しい。いっそそれなら未知の方が僕はタイプで、未知ちゃんに曖昧にシューされたい。
チョキン。
前に立っ

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大感謝ビーム!ぴゅっぴゅ
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「狂ゐ中学校」

どうか Guruichugakkou と発音して下さい。

「御機嫌よう。どうも私、内壁で御座います。はて内壁とは、だなんて素朴に返されましても弱ってしまうのですけど。まぁその、内壁は内壁で御座いますから。校舎をぐるり十二支の骸骨で囲まれました、あの狂ゐ中学校の内壁で御座いますの。学内プールに人魚雷が多数生息しているでお馴染み、音楽室にオルガン風情で有名音楽家の睾丸がずらり並んでいるでお馴染み。あ

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4

「吸われる話」

世にも美味なる夢スープ、淫夢に怪夢に酔夢に悪夢、どれもが絶品夢スープ…
「お母さんが死んだらどうしよう?」
心の中に最悪のもしもが芽生えた坊やは母親に泣きついた。
あまり力一杯抱き締めるものだから、そのまま母親に溶け込んで子宮に帰りたがっているようにも見える。
「お母さんが死んだらどうしよう?」
夜も深く、自身も眠りの只中にいた筈だが母親は嫌な顔一つ見せない。そして混じり気ない純度百の優しさを込め

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アフリカの疾風

ケニアのライキピアのとある家の朝5時。
ジョンソンは、父親のお祈りを受けて20キロ先の小学校へと走って行く。
小山を駆け上がりその先のサバンナの平原を見る。
そして平原を駆ける。

ジョンソンの行方に現れたのはキリンの群れ、
その長い首が遠くからもわかった。
ジョンソンは、走る速度を上げた。このあたりは危険地域だった。

平原でも起伏の大きい場所にたどり着いたジョンソン。
山道のように上り降りがあ

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(。・_・)♪
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