逆噴射小説大賞2019:エントリー作品

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皇都神鬼狩猟譚

西暦2038年、春。僕は大学時代の先輩の元を訪ねるべく、皇都でも有数の資産家である洲燈(すとう)家の屋敷を訪れた。

 立派な門扉に洒落たモニター付き呼び鈴。ボタンを押せば、応対に出たのは女中さんであろうか。

「一ノ瀬(いちのせ)先輩に呼ばれまして……ああ、僕は陣野英嗣(じんのひでつぐ)と申しまして……」
「……晃人(あきひと)様のお客人ですか? 確認を取ってまいりますので暫しお待ちを」

 こ

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