逆噴射小説大賞2019:エントリー作品

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白毫騎士アルテミス

墨川黒江、28歳・処女。彼氏いない歴=年齢。職業はしがないOL。
職場は、大卒入社した三流会社"だった"……ほんの1か月ほど前までは。

精悍な黒鉄の白馬が咆哮を轟かせ、街路樹の落ち葉を巻き上げ駆け過ぎる。
トライアンフ・スラクストンR。直列2気筒エンジン、排気量1200cc。
黒江の痩身を覆うは、黒革のツナギと漆黒のシステムヘルメット。
「あ゛~ッ、あっぢぃ~」
ヘルメットの下で三白眼が細められ

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あなたのスキが、私に力を与えてくれます!
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神器戦士ミツマナコ

「ハル。ハルよ」

「あっ……」

 しまった、ぼーっとしていた。霞みがかった視界の中、神主様が微笑んでいる。

「すみません、神主様。ええと……」

 ──ヤバい、なんだっけ?

「疲れているかな? ほら、深呼吸」

 言われた通り深呼吸すると、意識が晴れてきた。僕はハル。ここは村の聖域。神主様に呼ばれて、ここにきた。

「ハルよ。ここに来てもらったのは他でもない。これを託そうと思うてな」

 

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オレモー!
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神海戦士エルマーレ

――龍仙島――

夜の海岸に立ち上る火柱、その中から現れたのは赤熱の人型異形!その頭部が熱を増し、炎を吐き出す!辺りが火に包まれる……その先には祠が!
(あのままじゃ……守り神様が!)
岩陰に隠れる若い女性が祠の様子を案じ……そして走り出した!
だがもう一歩の所で爆風が……燃える祠……光が!
「だめ!」彼女は“それ”を掴んだ!
紺碧の光が全てを覆っていく……。

三日後。

『……続いては龍仙島海

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海の神秘:イカには心臓が3つもあります
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バングズ・サイレンサーズ

オフィス街の外れ。週末。夜。
事前の規制・誘導が奏功し、自動車と人々の音は遠い。今やこの通りは、対象と我々しかいない状況に整えられていた。
猫背気味の姿勢を不意に正し、不自然な周りの様子にようやく気付いたらしい対象は、我々を振り返る。

「遠山カナトさんですね。厚生省、消音課の王村です。こちらは同じく沼藤。ご同行を願います」
「なっ、サイレンサーズ……本当に存在していたのか」
「ええ、噂を聞いてい

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