逆噴射小説大賞2019:エントリー作品

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カイジュウ・ガール

 私はランウェイを歩くモデルのごとき優雅さで、リノリウムの床を歩いていた。しかしこの頭痛が、波のように押しては引いていく痛みが、口元に歪んだ笑みを浮かばせる。

 もちろん本物のモデルなど知らないし、興味もない。だが今は、そういう気分だったのだ。

 身に着けた簡易服は血に汚れ、髪から垂れる赤い水滴が歩いた道に点々と印をつける。

 長い通路の先に銃を構えた男たちが集結し、一斉に銃口をこちらに向け

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なんてこった! まさか「スキ」だなんて!
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まが鮨

 まが鮨本店はさながら回転寿司のテーマパークだ。曲津駅より徒歩一分、まが鮨本社社屋の六フロアを占める店舗は最上階に最高級寿司が味わえる金、オフィスや立駐を挟んで焼き・炙り・辛味の火、水流レーンを採用した水、ベジタリアンな木、普通の百円寿司である一般、そして地下に虫等ゲテモノの土となっている。

「実は水フロアは金までとはいかんが、ちょいとお高め贅沢指向なんだ」

 そう言う先輩に連れられ、俺達は水

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