逆噴射小説大賞2019:エントリー作品

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デッド・アンド・アライブズ

その日は不幸続きだった。

「こっちだ! 早く!」

 少年に手を引かれるがままにシノは駆ける。彼女はいまだ混乱の中にあった。どうしてこんなことになっているのだろう?

 背後からは呻き声の群れが追ってくる。引き離してはいるものの、執念深くついてくるのだ。

 二人は廃墟同然のビルへと駆け込んだ。それと同時に響いた銃声に、シノは身体をびくりと震わせる。

 背後を見ると、追手の一人

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アリガトゴザイマス!
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