逆噴射小説大賞2019:エントリー作品

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戦国時代に転生して歴史5の俺が無双したかった話

「預言者様!次の采配は如何程に!」
「どうがご決断を!」
 古めかしい武者たちは矢継ぎ早に質問を投げてくる。厳しい顔の大男が古いジーンズに安いパーカー、ひび割れたスマホを持った優男に必死に頭を下げる姿は滑稽すら覚える。
 そしてそれ以上の焦りと動揺が俺の胸に浮かび続けていた。

 俺は所謂「異世界転生」が嫌いだった。ご都合主義だし話としてあり得ない。異世界に行った途端特別な力を持ったり現地に適応す

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世界滅亡するらしいので異世界転生を試みたが飛び込んだのがデコトラだった件

「十日後に地球は滅亡します」
 そんな通達と共に全国民に配られたのは「安息の眠り」と呼ばれるヒグマでも一発で昏倒する強力な麻酔薬だった。
 人気YouTuberが動画配信で薬の効き目を実証してみせたおかげで、これがガセではなく紛れもない事実だと俺たちは認識する。
 地球滅亡、絶賛カウントダウン中!
 とりあえず、地球が滅亡する前にどう死ぬかが当面の問題になった。
 初日こそ無理心中や集団自殺、はて

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転生者よ、異世界を疑え!

「魔物を倒してレベルを上げれば腕力や知力は上がるし、レベルアップで手に入るSPを使えば訓練なしで魔法や技能を使えるようになる?」
「その通りです」

 冒険者ギルド・転生者支援課の職員は笑顔で答えた。
 
 死んだと思ったら、死後の世界はRPGみたいな場所だった。レベルとスキルが存在するこの世界では、成長とは経験値稼ぎのことだ。筋トレや勉強じゃない。魔物を倒すだけで人の全要素が成長する。
 
 俺

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ありがとうございます!
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妹は転生者

思えば生まれたときから、妹はどこかおかしかった。

まず、赤ん坊だというのに滅多に泣くことがなかった。泣くのは必要最低限の乳を欲しがるときかおむつを変えて欲しいときで、夜泣きや無駄泣きなどは一切しなかった。

乳離れした後も好き嫌いせず離乳食を口にするし、玩具を与えても時折弄ぶくらいでいつも虚空を見つめて思案顔をしていた。

両親からは手がかからないと喜ばれていたが、私は気味が悪くてあまり妹には近

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