逆噴射小説大賞2019:エントリー作品

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凶匣解体人クロヒメ

ちーん。エレベーターの扉が開くと、黒姫は手早く10階を押した。今週8つ目、都内タワーマンションでの仕事だった。
 「全く忌まわしい。」彼女は独りごちた。警察はギャラをケチるし、人使いが荒い。昨日大阪で1件終わらせたと思ったら、その足でのぞみに乗れだと?スカートのシワを取るヒマさえありゃしない。
 世間では”匣〈ハコ〉”絡みの事件が急増していた。放っていたら次から次に人が死んでいき、数少ない解体人で

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