逆噴射小説大賞2019:エントリー作品

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時間外25:00

「残業申請は認めてやるが、それは自分が無能だと吹聴するのと同じだぞ」

 コートを羽織りながら、課長がこちらも見ずに吐き捨てた言葉を思い出す。あれは16時だったか17時だったか。とにかく定時前であることは間違いない。今日は飲み会。予定にない。うちの部門長は単身であり、決算期のこの時期であっても構わず声をかけてくる。課長はその誘いを断ったことはなく、それは当然俺たちの同席も意味する。タイミングが悪か

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