逆噴射小説大賞2019:エントリー作品

627

シッターズ!

「もう、無理」

 硝子片が飛び散るビルの陰で那太郎は座り込んだ。日の差す表通りは炸裂音と、敵の外皮がそれを弾き返す衝撃音で満ちている。

 打ち上げ花火にも負けぬ轟音を切り裂いて、渦彦の怒声が届いた。

「那太ァ!もう一度だ!」
「もう無理だよぉ!!」

 負けじと那太郎が泣き返す。

 大通りには全長100数十mの大肉塊がのたうっていた。繊毛のような密な触手で己の身を支えるポリプ状の蚯蚓。それ

もっとみる
感謝の極み(ズパッ)
25