逆噴射小説大賞2019:エントリー作品

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ザ・コンシェルジュ

ヴィクトリア調の絵画と調度品が並び、淡い照明がシルクの赤絨毯を照らす、ハイソサエティ・ホテルの廊下を、わたしは早歩きで進む。

ウールのダークスーツにシルクのネイビー・ソリッドタイ、リネンのチーフが乱れていないか気にしつつ、足元のオックスフォード・シューズにも器を配る。

わたしはコンシェルジュ。ホテルの顔だ。
いつ如何なるときも、身だしなみに気を配らねばならない。

内ポケットからスマートフォン

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