逆噴射小説大賞2019:エントリー作品

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ヤツはただひとこと、【フォン】と啼いた。

「もう我慢ならん!俺はやるぞ!」

 先日導入されたばかりの最新のAI搭載の戦闘兵器が、今では我が物顔で戦場の指揮を執っている。
 新たな戦力に司令官はご満悦のようで、最近は戦いのたびにその兵器のみを連れていくのだ。

「見ろ!あの歩兵達の顔を」

 罫線ノートが円卓の隅を見やった。様々な背格好の筆記用具たちには、最早戦場に赴く力強い士気は感じられない。

「古株から若造まで、司令の意思を前線で忠

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モチベもちもち
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