逆噴射小説大賞2019:エントリー作品

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炎、うず巻けよわが胸

時速285kmでぶっ飛ばす。

東海道新幹線”のぞみ”は新横浜を過ぎた。後は名古屋までノンストップだ。
スマホを見る奴、PCでメールを返す奴、大口開けて寝てる奴。
平日昼。車内の空気は弛緩している。

小田原を通過した。頃合いだ。
俺は席から立ちあがる。スーツのポケットからハンカチを取り出し、顔に巻く。車両間のドアの前に立つと、声を張り上げた。

「強盗だ!全員手を頭の上に置いて、席から動くな!」

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