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2018年10月の記事一覧
灰、燃滓のラストダンス
こちらに放たれる光。スポットライトみたいだ。小さな頃はバレエを習ってた。眩しくて客席は見えなかったけど、母さんが見てるって分かってた。
「ドローン、機械兵が8に戦車が1」
通信終了。相変わらず簡潔。何を企んでいるのやら。すぐ目視で確認。不吉な操り人形がモノアイを、巨大な戦車が砲塔をこちらに向ける。戦闘態勢。
嫌になっちゃう、と独りごちてマギ謹製の義足を触る。思い出から戻ってきたら、生きた観客
パルプ・ハザード!!
俺が投稿ボタンをクリックした瞬間、背後で轟音! 驚いて振り返った俺はさらに驚いた!
「ゲホゲホ…… 畜生、なんだここは?」
部屋に詰め込んだ趣味の本やフィギュアが大地震の直後めいて散乱している。埃が舞う中、ヨロヨロと起き上がって不審げに辺りを見回す女。
誰だ? なんて思わなかった。俺は彼女を知っていた。その姿を肉眼で見るのは初めてだが、俺の頭の中には彼女の全ての情報が入っていた。だって彼女は
週末ヒロイン”スターバスター” 〜ヘレナはクンフーが足りない〜
冬も迫る、肌寒い夜のことだった。
帝都。路地裏で一人の酔漢を三人のギャングが囲み、そのはるか上方。
ビルの端に腰掛けた少女の顔を、ごく細かい粒子が這いずり、結びつき、覆面<マスク>を形作る。
赤ら顔の酔漢は……どうやらギャングの一人の足を踏んだらしく、それをタネに路地裏に引きずり込まれ、有り金を強請られているようだ。
(初舞台に好機)
端的に少女が心中呟き、羽織っていたパーカーを翻し、今や全
インスタントラーメン・クライシス
『何度でも食べられる!自己培養型インスタントラーメン誕生!』
最先端バイオテクノロジーの結晶とも言うべきニュースが世界を駆け巡ったのももう以前の話。
人類にとって長きに渡り愛された革命的即席食品は、新たな革命を遂げて家庭に定着していた。
「今日は……塩にするかな」
俺は部屋の中をとてとてと歩いている『塩』を手招きし、机に座らせた。
家のラーメン達の中ではいい具合に麺と具が育ってきている。
食
復讐機アヴェンジオン
死ねない…
人類の為に戦い、平和を得た矢先に我々を切り捨てた奴らに自分達の流した血の意味を刻み込むまでは…
死ねない…死ねない
彼は機体の操縦室で死にかけていた。
指は力を失い、耳は艦の危機を告げる警告音を捉えることを放棄しはじめ目は赤に染まる。
意識は怒りと何故という思いを手放そうとする。
それでも消えぬ怒りの中、不定形のゲルが彼の指に触れた…
あらゆる機械と同化し己の物とし増殖する謎の生命
弾はFour Hundred
お洒落な角の折れた緑の建物に沢山ある入り口の一つを覗き込んだだけなんだ、僕は。
だって人がいっぱいいて入っていく奴もいて。
とたんにぐいっと引っ張られたら荒野に大勢いて銃弾が飛び交ってるじゃないか。
「新入りか。ここのルールはたった一つだ。銃を作って撃つ!勝ったものにあの輝くお宝が与えられる!」
日に焼けたアクション映画みたいな男は銃を撃ちながらニヤリとこっちを見た。
銃ってなんだよ!ここはなんな
ソリッド・シェル・ソウル
「何が楽な仕事だ、まったく」
思わずぼやく。
標的は傭兵崩れ。魔術師の類はおらず、数も十人ほど、のはず。
『一杯食わされたか。正直に話すと俺らが断ると思ったんじゃないか』
が、実際の敵は三十人を下らない。さらに男たちが取り囲むのは、小屋のような鉄の箱だ。眼球に投影された解析結果には【軽戦車】とある。
「次から個人の仲介屋は信用するなよ」
『そうする。で、どうする?』
「やめとくと言いたいけ
泉さんは人殺しも上手
空き巣に入った先で人間の解体作業が行われていた、という事例は、この世にどれだけあるだろう。しかも、学生時代の同級生と再会するというオプションつき。
「東田さん、お金欲しいんでしょう。少しは出せるからさ、手伝ってよ。それで空き巣の件はチャラ」
と、泉さんは言ってのける。ノコギリを持つ手を休めないそのさまに、昔からテキパキした子だったと思い出した。
青いビニールシートが敷かれた風呂場
ギターを抱いた渡り猫
コバーンの手下、あのニボシ臭いハチワレどもの頭をあニャあきチーズに変えてやったのは、ここニャン年かで二番目に気分のいい出来事だったが、(一番目がニャニかって?あんたみたいないい猫とこうしてお話しできてることかもニャ)そのおかげで、町から町へ、渡り鳥ならぬ渡り猫、ってわけさ。まあ、俺には幸い相棒のこいつがあるからニャ、こいつをかきニャらしながら、甘い歌の一つでも口ずさめば、とりあえず食うものと宿に困
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