逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

1858

【デビルハンター】ジュディ婆さんの事件簿 #1(第1話:1/4)

死人に口なし? あるよバカタレ。
-ジュディ-

「ああジュディ。深夜にすまない」
バリケードテープをくぐる老婆にゴードン特別捜査官が声をかける。

「ったく。こんな山奥の道端でババアが死ぬかい?」
不満を垂れながらジュディは咥え煙草を始末し、ざっと死体を観察した。
「手首の擦過傷と足の具合からして監禁された後に徒歩で山中を逃走… 道に飛び出し轢死。監禁場所は半径2マイル圏内か。退屈な事件」

もっとみる
きっと作者は大喜びさ
52

ハラスメントセブン

「動くんじゃねえ! 銀行強盗だ!」

そう叫ぶと強盗の一人が発砲!

客はため息をついて彼らの命令に従う。

サカナシティではこの手の犯罪は日常茶飯事だった。

だが、強盗の指示に従わぬ者がいた。

仕立ての良いスーツを着た中年男性だ。

彼は自身に満ちた足取りで強盗たちに近づいていく。

「動かないでもらえるかな。私はヒーローだ」

中年男性はそう言うとスーツのネクタイを緩め始めた。

強盗たち

もっとみる

ネイキッド・ランナー

徳島敦夫(47歳)はかつて人生に絶望していた。

仕事をクビになり、家族もいなかった。

最早敦夫に未来はなかった。

同時に、寄る辺とする過去もなかった。

だから彼は今を生きることにした。

敦夫は電話をかけると、計画を実行に移すための準備を始めた。

「なあアッちゃん。本当にアレをやるつもりなのか?」
中学の同級生であった藤村隆は敦夫が現れるよりも早く喫茶店に着いていた。

「当たり前だ。誓

もっとみる

ゴミ収集家と猫

私は死んでいる。”死んだ”というほうがタイムリーかもしれない。

「死人が文章を書けるわけない」

ごもっともである。

私は死んでいるかもしれないし、生きているかもしれない。

そう。

シュレディンガーの猫ならぬ、シュレディンガーの男だ。

ともあれ、これを読んでいる貴方が”観測”するまで、”死んだ私”と”生きている私”が存在することになる。

当然だが、世界のメモリには限界がある。(宇宙は広

もっとみる