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#ファンタジー
邦題:ニンゲンスレイヤー・聖都炎上(原題:“ユースレス”・ザ・ゴブリン)
巣穴が。炎上している。◆◆◆
私が生まれた時、兄弟達は笑い、燥ぎ、顔を顰めていた。
私は兄弟達から見て異形だった。
私の腕は兄弟達の様に器用に道具を使う事も、剣を持つ事も出来なかった。しかも兄弟より腕が二本多く、その二本はこの巣穴では何の役にも立たなかった。
だから私は“役立たず”と名付けられ、鎖で繋がれるのも、食事が兄弟の残飯で有ることも当然だと思った。
ただ私にも兄弟より長けているモ
ハロウィンナイト・コー!ホー!
ハロウィンは祭では無い。商戦だ。セールス・コンピューターと呼ばれる俺の仕事はこの戦いを制することである。
「…という訳で暫く忙しい」
「ふざけんな!」
木杭が撃ち込まれるが、難なく躱す。
「分かってるのか!?私たちはモンスターなんだぞ!?」
「だから?」
「絶対ハロウィンの人気者になれるだろ!」
オオカミ女の妻 シーラはイベント好きだ。今回も随分はしゃいでるようだ。
「シーラ、こ
エイリク大陸物語①「獅子王と甲冑の騎士」
0.王都にて
夕刻、黒馬に乗った騎士がただ一人出陣した。黒光りする甲冑は禍々しく、その下の素顔を見たものは無い。もっとも<<英雄殺し>>が王城から出ることは少ない。英雄マルスがあのように討たれてからは特に。
また一人希望の担い手となっただろう少年が死ぬ。<<英雄殺し>> の行軍を目にした者は皆、顔も知らぬその子の為に祈った。
しかし、行軍が目的地に近づいてくると人々の反応も変わった。今
『元傭兵デリックの冒険』より「力鬼士(リキシ)の洞窟」
「ファック野郎!」
スコップを振り下ろし、襲い来る力鬼士の指をぶった切る!
「ギァーーッ!」指は土に還る。力鬼士は後退し、チッチッと音を発した。仲間を喚んでいる! ボゴン! ボゴン! 床や壁から力鬼士が這い出す。囲まれた!「くそったれ……! まさか、実在するなんてな!」
デリックはスコップを振り回して威嚇し、事の発端を思い出す。
◆
「父を、助けて下さい!」デリックの店に飛び込んで来た少女
クリスティ~魔女と秘密の英雄~
何者なのだ、この男。
闇の歩き手、千年を生きる古き者、女の中の女にしてこの国の魔女を統べるエマ様の館なのだぞ。何故これだけの魔力の罠と攻撃の中を平然と歩ける。
もはや、側仕えであり近衛である我々の全力を出すしか無い。この魅了術(チャーム)で奴が完全な下僕になっても構うものか。目でソフィアに合図し、同時に術を放った。しかし男は小さく会釈しただけだった。
「術が効かないなんて――」
男が微笑んだ
【習作】白磁のアイアンメイデン 第1話 「踏んでさしあげますわ」その1
彼、魔術師ヘリヤがそれを目撃した際、彼が己の正気の確かさを疑ったのも無理はないだろう。なにせここは泣く子も歴戦の傭兵も黙るラシュ平原、通称“忌み野”であり、彼はそこを、かれこれ二週間ほどさまよっていたのだ。
まして彼が見たものが“執事とメイドに見守られながら、屈強なリザードマンの群れに跳び後ろ回し蹴りをぶちかます女”となれば。
しなやかな体のラインを強調する真紅の衣装に身を包んだ女は、舞うよう
剣の魔女と魔具の迷宮
交錯の瞬間、勝敗は決した。
オーガの棍棒はエルザの銀髪を掠めたが、【魂喰い】の刃が入れ違いに心臓に突き立てられたのだ。
ドクン…刃が赤黒く、朧に輝く。エルザは更に刃をねじり込み、無造作に薙いだ。断面から血と臓物が溢れ、オーガが崩れ落ちた。
エルザは刃を振って血を払い、ランタンに焚べる。炎はオーガの脂を得て勢いを取り戻した。
…数年前。王都の東に突然地下迷宮が現れた。宝物と危険に満ちた迷宮は