逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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記事

エールッフ年代記

「エール、エローヒーム、エローホー……」

聖都エルフリムに、神を讃える声がこだまする。今朝はひときわ音高く。

「主に選ばれしエールッフの民よ、いと高きところにいます方に感謝せよ」

皇帝の司式のもと、戦勝を祝う荘厳な儀式が行われる。
臣民は涙を流して喜び、ひれ伏す。都は活気を取り戻す。

使徒到来紀元1022年。
三大陸の覇者、エールッフ帝国皇帝ミカエルフ2世は、冬をようやく平穏に迎えた。先年

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ファンタジイ・オブ・ザ・デッド

ミリーは泣きながらゾンビの目をやじりで貫いた。元妹は動かなくなり、ミリーは遺体を里の処理所に運んだ。処理所を出るとノーム――ギドと目が合った。山から逃げてきた彼は酒瓶を抱えていた。
「なあ、一杯やらないか」
「やらない。あたしは旅立つ」ミリーはハンカチで顔を拭った。涙が止まらない。
「どうして」
「奴らを滅ぼす。そのためには禁術魔書が必要。王都に行く」
「正気か? 大陸ごと沈めるのか。ここも消える

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モモ・デウス(邦題:ふたりはモモタロウ)

昔々あるところに全裸で暮らす翁と媼がおりました。

二人は子を欲すれど叶ず嘆き哀しんでいたところ、神は知恵の実を授けられました。

二人は羞恥を知り然しながらも昂る想いを

(中略)

二人の男子はカインとアベルと名付けられた。

これが“ふたりは桃太郎”の始まりである。

〇〇〇

神代の頃、異方より門を通り様々な民が神州へと漂着した。
曰く、エルフ、ドワーフ、オーク…枚挙に暇がない程に。

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東一局666本場

東家 国士無双山 は強かった。土俵にて横綱は最強。それは雀卓においても。しかし666連勝は正気ではない。冷静ぶる西家 武装親衛隊中佐ハイドリヒも内心穏やかではあるまい。彼のハコ割れは党の歴史上からの排除を意味する。

一方北家、小説家を名乗る男に動揺はなかった。しかし彼の意味不明な手が卓を乱している。初期持ち点を見るに彼の賭けた自身の作品とやらが大作であったことは間違いないが、ただの阿呆だったか?

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エルフ捕物帳(邦題:銭形ヘイルダム)

ルーン銭が飛ぶ!

『ゼニィィィ!』

十手バトンが脳天を打ち砕く!

『ジッテェェェム!』

フォールン同心どもは爆発四散!

「ほう?この“嵐をもたらす”村正と共鳴するとは…もしやその十手、モーンの…」
辻斬りはフードを脱いだ。

…まさか豊臣エルフ!?

●●●

関ヶ原の合戦後、二度に渡る合戦を経て大坂エルフヘイムは炎上、
豊臣エルフは滅亡した。

日ノ本の戦は終わり、徳川エルフの治世によ

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酒場「フライされたラクーン亭」にて

「あんた、ここはエルフ領と判っているか?」

 エルフが二人、テーブルに寄ってきた。フードの留め具に弓を提げる隼の紋章。弓王フィナッセの者か。

 他の客は見て見ぬふりすしている。まあそうなるわな。わしは内心嘆いて、酒に手を伸ばした。

「ワインだと?お前が飲みたいのはビールだろ?俺の体内で精製したのを飲ませてやるよ」

 エルフはジョッキを奪うと、そのままズボンを下ろし、粗末なモノを晒した。

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辛い麺を食べましょう。
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キャプテン・スター☆エルフ

「髭モジャの?ドワーフ娘?しかも褐色の肌で?美少女?…お前は阿呆か?」

マスターはそっぽを向きグラスを拭き出した。
因りに寄って、この俺に、阿呆だと!
掴みかかろうとした瞬間ボインが俺の顔を遮った。

「やっぱ髭のドワーフの娘なんて銀河の何処にも居ないのよ~♪いい加減諦めて私と新緑の芽吹き(※古エルフ語で繁殖行為)しましょうよ~♪」

この金髪ボインのハイエルフはビースト!
ベッドでもバトルでも

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「バーニング・サツマ&イモータル・エルブス」

《もっとも背徳的な焼き芋を焼いたものに全財産を与える》 

大富豪犬養犬士郎の遺言状は親族を狂奔させた。 地上を七回買い占めてあまりある遺産を巡り一族は二つに割れた。最大勢力は娘婿犬養猫太郎を長とする本家派。もう一方は愛妾の倅ながら唯一の直系男子である与太郎派。

背徳焼芋会は遺言通りに七日後に行われる。それまでに各派閥は背徳条件を整えることになった。

先手、犬養猫太郎(本家派)は親族経営会

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ゴッド、ブレス、ユー
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人狩りのハッファン

キリキリキリン!甲高い金属音が森に響き渡る。

「去れ!化物よ!」男がトライアングルを叩きながら怪物に叫ぶ。「お前の汚い巣窟に戻れ!」

「グオオ……」巨大な穿山甲のような怪物が首を数回振ると、逃げるように森の中へ走って行った。

「無事か、ご婦人?」

 ボロ布ともいえる汚いフード付のローブを着た男が手を差し伸べた。命の恩人の手を取り、辛うじて立ち上がった。

「ありがとう…助かったわ」

「い

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タピオカを残らずに食べましょう
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ラスト・オブ・エルフ(邦題:エルフですが何か?)

「貴様は…貴様は絶対にエルフなんかじゃなピィッ…!」

ナイスショット!

聖騎士の頭は兜ごと砲弾の如く飛び、燃える世界樹に叩き付けられ、石榴の様に爆ぜた。
神木より削り出された巨大な棍棒によって。

◆◆◆

聖人理教会が【この世界は人間の為に在る】と教義付けた日、全ての“亜”人間と定義付けられた者達への侵攻が始まった。
人理十字軍の始まりである。

◆◆◆

エルフヘイムが炎上している。

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