逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集
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本
シャーク・ネゴシエイション!
「出演料と権利の要求だと?」
『は、はい……それで、どうしましょうか……』
大手映画会社の社長の元に飛び込んできた緊急の連絡は明らかに現実的とは思えず、社長は鼻白んだ。
「君、馬鹿なこと言うな。確かに映画界においてサメ映画は一大ジャンルだが……だからといって鮫が人間に交渉しに来る訳ないだろう!」
『で、ですが実際、弊社に今鮫頭の奴が!』
「怪しい相手は警察を呼びなさい。まったく、私にそんな連絡
LOAD OF THE WATER 水繰り鮫 -InfluShark 2nd Infection-
チャパチャパチャパチャパ! ショッピングモール内に水を跳ね散らしながら駆ける多数の足音が響いた。
「どうなってンだ!」
「ここ三階だぞ!」
既に二階までが水没。吹き抜けは増水河川が如く、溢れた水が三階の床を洗う。現在水位はまだ靴底程。だが確実に高まりつつあり、危険域に達するのは時間の問題だ。
迫る水から逃れるべく、非常階段には大勢の客が詰め掛けていた。しかしその進みは遅い。見る間に足首
シャーク・バッシャー!!
薄暗い廃墟の中、男女が愛を囁き合っていた。その愛が今宵どころか、この刹那限りのものであったとしても二人の若さは、それを問題としないだろう。だが、次の瞬間!
CRASH!!
壁を蹴りたて崩し、現れたのは2mを超えるであろう巨躯を持つ男!唐突に出現した怪人の頭部は謎めいた白いラバーマスクに覆われ、人相はおろか表情すら判然としない!しかし!最も異様なのは両手に抱えたサメである!
『残念だったな