逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

1858

ラスト・ドワーフ ラスト・チャージ

唯一の女性ドワーフ、”戦鬼”シヴの葬儀が終わった。”歯車”デグは友を失い、世界最後のドワーフになった。
曇天の下、デグは膝の上の杖を撫で、白髭の中で呟いた。
「自業自得だな。竜やロンサムジョージとは違う」

「デグ、考え直さないか? 今の技術なら……」
ただ一人の参列者である大統領が言った。デグは首を振った。
「クローンは無しだ。ドワーフの血を人の血清に使うのは良いが、子どもが切り刻まれるのは耐え

もっとみる
...🐘…🐘🐘…🐘🐘.…
8

拾ったヒキニートを飼っています。

「ただいま!」

帰りが遅くなった。
居間に入るとあの娘はモニタに向かったまま右手を上げて

「おつか~」

スピーカーからは変換された野太い声で
「オツカー、ソロソロオチルワ」の声。

「お?リーダーもしかしてコレから…?」
「リア充死ね!」
「ただいまって彼女の声?もっと聞かせて~!」

「ウッサイ、シネ!」VC切断。

私は後ろから彼女に抱き付く。モフモふ…ん?

「こらっ!昨日お風呂入って

もっとみる
【プラチナトロフィーを獲得しました】
12

モモ・デウス(邦題:ふたりはモモタロウ)

昔々あるところに全裸で暮らす翁と媼がおりました。

二人は子を欲すれど叶ず嘆き哀しんでいたところ、神は知恵の実を授けられました。

二人は羞恥を知り然しながらも昂る想いを

(中略)

二人の男子はカインとアベルと名付けられた。

これが“ふたりは桃太郎”の始まりである。

〇〇〇

神代の頃、異方より門を通り様々な民が神州へと漂着した。
曰く、エルフ、ドワーフ、オーク…枚挙に暇がない程に。

もっとみる
【実績のロックが解除されました】
11

ア・フェアウェル・トゥ・ビアード(邦題:幻想美少女☆バトルロイヤル)

「やめろ!やめろよぉ…!」

少女の悲壮な声が酒場に響く。

「なぁに!抵抗しなければ直ぐじゃ!」
「動くと顔に傷が付くぞ!」

おぉ…オーディンよ御照覧あれ!
赤ら顔のドワーフたちが数人がかりで少女を押さえ付けて居るではないか!

■◆■

夕張ドワーフ大工房は炭鉱の町で…あった。

御一新後、日ノ本はヒトを頂点とする国となり、ドワーフの採掘する石炭は国の近代化を推し進めた。だがやがて石炭は枯渇

もっとみる
【実績が解除されました】
18

酒場「フライされたラクーン亭」にて

「あんた、ここはエルフ領と判っているか?」

 エルフが二人、テーブルに寄ってきた。フードの留め具に弓を提げる隼の紋章。弓王フィナッセの者か。

 他の客は見て見ぬふりすしている。まあそうなるわな。わしは内心嘆いて、酒に手を伸ばした。

「ワインだと?お前が飲みたいのはビールだろ?俺の体内で精製したのを飲ませてやるよ」

 エルフはジョッキを奪うと、そのままズボンを下ろし、粗末なモノを晒した。

もっとみる