逆噴射小説大賞2018:エントリー作品収集

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エッテクルッバの森

「王様は死んだ! 王様万歳!」

血塗れの棍棒を持つ若い男に、蓬髪の老人はそう呼びかけた。
今からこの男が王だ。王を殺したのだから。男は震える声で問う。
「お前も、俺を殺すのか?」
「んにゃ。わしゃ殺されとうないでな。見届けるだけだ」

某県の深い山中。日本中から犯罪者、無宿者、多重債務者、自殺志願者、狂人、徘徊老人、不法難民、その他諸々が集った廃村。そこには人知れず、小さなコミュニティが形成され

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アポカリキシ・クエイク

「あれは、ただの地震ではない。『釈迦ヶ嶽雲右衛門』がロサンゼルスに現れたのだ」

谷松と名乗った老人は、そう、ぼくに告げた。

「………一応は知ってますけど、あれですか? あの大惨事が、その、江戸時代の力士によって?」
ぼくは彼の正気を疑った。そんなニュースは当然、どこにも見当たらない。

「そうだ。彼らは『見えない』。普通の人にはな。大地のエネルギーを感じ取れ……」
「帰って下さい! うちは仏教

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